SDGsの達成を目指して立ち上げられた「グリーンアライアンス」。そのパートナー企業それぞれの活動や地元に対する思いなどをご紹介します。 今回は、長野県のAsmile 石井瓦工業株式会社が登場。執行役員の前田豊氏に、これまでの会社の歩みや、建設会社としてのプライドなどについて語っていただきました。前田氏がe-Bikeで千曲市の大自然の中を案内する特別企画もお楽しみいただけます。
<目次>
01. 太陽光を設置するだけでなく、リサイクルまで責任を持てる会社でありたい
02. Asmile 石井瓦工業株式会社 前田氏がe-Bikeで案内 緑あふれる信州千曲市
Asmile 石井瓦工業株式会社(以下 石井瓦工業)は、屋根全般や外壁の工事、リフォームなどを行う、創業38年目の建設会社です。社名の通り、もとは屋根瓦からスタートした会社で、創業者で代表取締役の石井治郎氏は、長年にわたり瓦業界の発展に尽力。その貢献が認められ、2023年に黄綬褒章を授賞されるなど、建設業界では広く知られた存在です。
「太陽光発電事業を始めたのは、阪神・淡路大震災がきっかけです」と事業展開について話してくれたのは、執行役員で営業部長、また東京営業所の所長でもある前田豊氏です。
「社長が復興現場の手伝いに行き、その被害状況を目の当たりにし、様々な使命を感じたようです。倒壊した住宅などを見て、“つぶれない家”のためのリフォームをしよう、そして停電している現場で太陽光発電を利用しお湯を沸かしているのを見て、今後はこういうものが必要だと。そこから、今へとつながる新しい事業が始まったわけです」
2021年には、リフォームブランド「Asmile(アスマイル)」を立ち上げ、話題に。業界でも広く知られる老舗企業の信頼を背景に、新しい風を吹き込み、次のステップへとけん引してきたのは、前田氏を中心とする若手の力です。
「私自身は、阪神・淡路大震災の10年後、今から20年前に入社しました。東京出身で、ずっと野球をやっていて、大学卒業後も長野の社会人野球チーム「NTT信越クラブ」に選手として所属。それと同時に入ったのが、この会社です」
当時22歳の石井青年の役割は、まさにこれから注目されるであろう太陽光発電システムの営業でした。
「温暖化防止に役立つ再生可能エネルギーを扱うことに、大変意義を感じ、未来のために役立ちたい、とかなり熱かったですね。特に入社してすぐ後、90歳のお客さまとの出会いは衝撃的でした。当時500万円くらいかけて、太陽光と電気温水器を付けたいとおっしゃるんです。理由は、娘さんとそのお子さんたちのために、何か残したい。でもそれはお金ではなく、毎日感じられるものがいい。後々、おじいちゃんが太陽光を付けてくれてよかった、と思ってもらえればうれしいと。この出会いが私の原点となりました。こんなにいい商品を扱っているんだと思いながら仕事をするうちに、野球よりこちらの方に夢中になってしまって(笑)」
石井瓦工業では、2021年度より長野県の共同購入事業「みんなのおうちに太陽光」の販売施工事業者として選定され続けています。
「これは、選定基準がかなり厳しいんです。会社の機動力や財政面、システムの長い保証期間にちゃんと残れる会社なのかなど、第4審査まであって、そのあとようやく入札できる。さらに、現地調査の実施能力も評価されるのですが、弊社は1か月半で設置希望住宅の200軒近くを調査し、見積もりを提出。そうしたところ、その半数くらいが実際の契約にまでつながりました。この受注件数は、全国でも一番だったようです」
さらに2025年度には、東京都の「みんなのおうちに太陽光」の施工業者としても選定。並みいる大手企業と並び、練馬区や西東京市など1区6市を任されています。5月には西東京市にAsmile東京営業所をオープン。こちらはほぼ太陽光発電システムや蓄電池、V2Hに特化したビジネスとなっているそうです。
2024年度の売り上げは約7億6000万円、そして東京のビジネスが始まった2025年の目標は9億円以上とのこと。この順調な展開を支える原動力とはなんでしょうか。
「もちろん、石井瓦工業の信頼と実績が背景にあるのはいうまでもありません。私自身も20年間積み重ねてきたものが、役立っていると思います。そして、具体的なところでは、屋根をはじめリフォーム全体を把握しているため、見積もりから工事まで社内で完結できる点。また現在、ハンファジャパンを筆頭に、メーカー7社と代理店契約していることも大きい。商社を通さない仕事が多いので、金額的にも有利ですし、各社の特徴も把握できていて、このお宅にはこのメーカーと、的確におすすめができます。長野県の「みんなのおうちに太陽光」入札時、200軒の現地調査をこなせたのも、その経験と知識が役立ったと思います」
現在、スタッフは30名。瓦工事や板金、太陽光の職人もいて、外装関係の工事は全部自社でこなせるのも強み。社員同士のスポーツ大会や同好会なども実施するなど、「健康経営優良法人」にも認定。社員への手厚い福利厚生にも定評があります。
地元でもよく知られた会社として、地域貢献も積極的に行っています。上山田温泉の花火大会や、Bリーグの「信州ブレイブウォリアーズ」への協賛、地元の学校へのテントや本などの寄付などはその一部。東京営業所も、西東京市所有のコミュニティスペースである「ワンフォーオール」という建物に出店し、ビジネス+αの貢献も目指します。
「とにかく長い目で見て、地域やお客さまに頼っていただける存在になりたいと思います。太陽光も、今は付けることが仕事ですが、いずれは処分も必要になります。そのリサイクル、あるいは廃棄など、最後まで面倒を見られる会社でありたい。太陽光発電の製品は幸いにも長く持つものですから、わたしたちもじっくりお客さまに寄りそって、長くお付き合いをしていきたい。原点にある90歳のお客さまの言葉を常に想い、太陽光発電の本来の価値を共有しながら、お互いに信頼できる関係で仕事をしていければと思っています」
弊社では、SDGsに向けてのアクションとして、先ほどもお話しした地元への貢献活動をはじめ、自転車通勤の推奨など基本的な省エネ努力をできる限り行っています。また、社内やイベントなどでペットボトルのキャップを回収し、その買い取り金額で世界の子どもにワクチンを贈る活動も20年ほど続けています。ただし、ひとつの会社でできることは本当に限られていて、大きな目標は持てないでいました。そんな中、ハンファジャパンがグリーンアライアンスを立ち上げ、いくつかの明確なゴールを掲げてくださった。ハンファジャパンは先を見ている企業という印象もあり、ぜひ一緒に歩んでいくことができればと思います。(前田氏)
グリーンアライアンスの3つのアクションのひとつ「エコフレンドリーなモビリティと連携した社会貢献活動」でも推進しているe-Bike。この快適な自転車を使い、前田氏が緑鮮やかな信州の絶景をご紹介します。
千曲市では、市内に点在する景勝地や観光スポットを結び、長大なサイクリングコースが整備されています。様々なコースがある中「この地の山、川、土手、橋、そして田んぼ、その風景が大好きです」という前田氏が、おすすめの絶景ポイントへ。今回は日ごろから自転車に乗り慣れているという、同社広報担当の福井靖枝氏も一緒に案内していただきました。
市内をゆったりと流れる千曲川沿いに約9kmに渡って続くコース。きらめく川面と緑あふれる大地、そして周辺の山々を眺めながらのサイクリングは爽快そのもの! フラットなコースのため、ジョギングを楽しむ人の姿も。
https://chikuma-cycling.com/course_information.html
千曲川に向かって傾斜が続く姨捨地区には、約1,500枚の棚田が広がり、素晴らしい景観を作り上げています。鮮やかな棚田と眼下に流れる千曲川、そしてその先に広がる善光寺平と、思わず息をのむような眺望が展開します。展望スポットまではかなりのヒルクライムコースになりますが、e-Bikeならまず問題なし。
https://chikuma-kanko.com/page-31643/
江戸時代より「北国西街道(善光寺街道)」の宿場町として栄えたのがこの地。通り沿いに土蔵づくりや町家づくりの建物が並び、その合間に細い路地が巡り、かつての賑わいを今に伝えています。
https://chikuma-kanko.com/tourist-guide/inariyama/
明治以降、善行寺参りの精進落としの湯として賑わった温泉地。千曲川をはさんで戸倉と上山田の地区に分かれています。一帯には大小の旅館が並び、昔ながらの温泉街の情緒が満ちあふれています。温泉街を巡るサイクリングコースもあり、途中にあるいくつかの足湯は絶好の休憩スポット。
https://chikuma-kanko.com/lodging/togurakamiyamadaonsen/
サイクリング途中に立ち寄りたいうどんカフェ。築100年ほどの蔵を改装した和情緒漂う店内で、人気の肉うどんをはじめ、創作系まで様々なタイプが楽しめます。料理を待つ間、7種の薬味をすり鉢に入れ、自分でブレンドするのも楽しいひととき。
https://www.instagram.com/udon.tururu/
実は今回はじめてe-Bikeに乗ったのですが、とても面白かったです。軽くてスタイリッシュで、ひとこぎでドーンと押してくれる感じ。こんないい自転車があるなら、車はいらないかも、とすら思いました。ずっとスポーツをやってきたので、体力には自信があるのですが、姨捨山に登るときはちょっと息切れしたかも(笑)。坂道もグングン登れるし、本当に気持ちよかったです!(前田氏)
Photo:Takanori Ota
Special Thanks:COMPASS HOUSE(長野県野沢温泉村)
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