[グリーンアライアンスパートナー企業のご紹介] Non-FIT、蓄電所事業にも参入し、太陽光ビジネスのさらなる展開を ~株式会社ワン・ミニット(愛知県名古屋市)~

SDGsの達成を目指して立ち上げられた「グリーンアライアンス」。そのパートナー企業それぞれの活動や地元に対する思いなどをご紹介します。
今回は、名古屋市の株式会社ワン・ミニットをクローズアップ。代表取締役の山﨑氏が、業績急成長の背景を語ります。また、山﨑氏がe-Bikeで名古屋のお気に入りスポットを案内する特別企画もお楽しみいただけます。

<目次>
01.  Non-FIT、 蓄電所事業にも参入し、太陽光ビジネスのさらなる展開を
02. 株式会社ワン・ミニット山﨑氏がe-Bikeで案内「昔ながらの風景が顔を出す名古屋」

名古屋市西区、昭和の下町情緒が漂う円頓寺商店街のすぐ近く、駐車場の上に置かれた船型のユニークな建物「防災避難用箱舟」が、株式会社ワン・ミニットの本社です。同社は、住宅の各種メンテナンスから注文住宅の新築、太陽光発電システム・蓄電システム工事にいたるまで、家に関するあらゆることを手がける、「住まい」の専門企業。愛知、岐阜、三重、静岡、名古屋、関東にまで広くビジネスを展開しています。

2023年に購入したユニークな本社社屋(左)。2024年には名古屋駅近くのビル内に名駅支店を開設(右)

「もともと太陽光関連の会社で働いており、その間に副業として3カ所に合計130kWの野立て太陽光発電施設を作り、運営していました。その収入管理を目的に設立したのがワン・ミニットです。ひとりでしたし、“小さな単位”という意味だったのですが」と代表取締役の山﨑氏。

その後、当時の会社を退職し、2023年、改めて建築と芸術を学ぶために京都芸術大学に入学。発電所の売電収入で暮らしつつ、のんびり学生生活を送ろうと思っていたそうです。ところが、その矢先に、前職の部下3人から「一緒に仕事がしたい」との要請を受け、結局、大学入学直後の5月には、住宅リフォームを柱とするビジネスをスタートすることに。その時に居抜きで買ったのが、このオフィスだそうです。

現在スタッフは、営業7名、事務3名、アルバイト1名の11人体制。名古屋駅のすぐ近くに別の広いオフィスもあるのですが、この本社は、山﨑氏がひとりで仕事をする隠れ家的オフィスといったところです。

本社オフィスで作業をする株式会社ワン・ミニット 代表取締役 山﨑貴充氏

業績を後押しする”ゼネラリスト“体制と柔軟性

本格的に業務を開始してからまだ3年目の同社ですが、その業績はかなり順調です。2023年に5,000万円だった売上が、翌年4月には3.2億円に、さらに2025年には7.5億円を計上。
「最初に始めた住宅リフォームではあまり伸びず、前職から専門として扱ってきた太陽光発電・蓄電池ビジネスを始めたことで、勢いがつきました」

急成長の秘密を伺うと、第一には、住宅に関して全般的な知識がある“ゼネラリスト”がいることが大きいといいます。
「私自身、太陽光に関しては17年の経験があり、これに加えて建築施工管理、電気工事、宅地建物取引士の資格を有しています。営業スタッフの多くも同じような資格を取得済みです。つまり、自分たちで土地の仕入れをし、電力会社に申請し、CADで図面を作成し、工事をすることができる。もちろん実際は業務を分担し、協力会社に作業を依頼するのですが、全体を理解して確実な発注ができるのは大きいと思います。例えば太陽光発電システムの設置をするとして、硬質ウレタンフォームの断熱材を使っている家に電線を通す際は、発火の危険を避けるためCD管を利用することが必要ですが、そうしたことを知らずに直接電線を通してしまう会社は意外と多い。弊社はゼネラリストがいて、家の総合的な知識をもって、安全性はもとより様々な提案ができる。その点をお客さまにも理解していただいているのでは」

また、様々なメーカーの太陽光関連製品を扱えるため、ブランドにこだわらずお客さま目線でフレキシブルな提案ができる点も強みだと言います。
「メーカーによって保証申請や工事の仕方も異なるので、いろいろな会社を扱うのは結構大変なのですが、弊社では、営業もメーカーごとのルールを把握し、各社製品に対応できる職人を教育し、全社製品を扱えるようにしています。結果、選択肢が増え、お客さまの希望に細かく沿うことができます。また、設置条件などが厳しく他で断られたという案件も、第2案、第3案を提案することができ、解決につながることは多い。そういった柔軟性にも好評をいただいています」

新たにNon-FIT・蓄電所事業もスタート

さらに昨年10月からは、注目のNon-FIT事業、蓄電所事業も開始しました。
「Non-FITは、従来の固定価格買取制度の適用を受けず、自由な価格設定で売電する発電設備ですが、お客さまからの依頼があり手がけました。現在、関東を含めて15カ所、合計750kWの規模で開設計画を進めています。また、蓄電所は8MWhのものを2026年度中に1台稼働開始予定ですが、これも今後需要があると思われ、増やしていきたいと思います。大型案件でもあり、開設に向けては、土地の仕入れから、法令にあうよう近隣住民への説明や立ち合いなどのプロセスが必要で結構時間がかかります。工事自体は、今年の6月から8月にかけて行われる予定です。こちらも図面引くところから、各種申請、工事まで、全体を見渡す総合監修的な立場で進めています」

レッサーパンダのスポンサーなど、SDGsへのアクションを実施

株式会社ワン・ミニットでは、こうしてあらたな事業を手がけつつ、同時にSDGsに貢献する様々な取り組みも積極的に行っています。例えば、建築資材や事務用品等にリサイクル品を使用したり、社用車として2台のEVやe-Bikeを導入したり。またスタッフや外部の職人さんたちに対しても、残業時間を毎月10時間以内と規定(実際はほぼ残業なし)、技術向上のための研修プログラムを実施するなど、労働環境を整えるよう配慮されています。

社用車としてテスラも活用。「テスラの蓄電池やEVそのものに関しても、今後機会があれば、プロモーションに協力していきたい」
2025年4月、九州への社員旅行を実施、太宰府の観光(右)や博多での宴会(左)を楽しんだ。普段すれ違いとなりがちな営業職や事務職がコミュニケーションを取るいい機会に

ユニークなところでは、SDGsの「陸の豊かさを守ろう」につながるアクションとして、名古屋市にある東山動植物園のレッサーパンダの動物スポンサー、東京の恩賜上野動物園でも同じくレッサーパンダの動物サポーターという活動も。
「レッサーパンダの生息地は、森林開発や気候変動等によって過去10年で70%ほど減少しており、IUCN(国際自然保護連合)の絶滅危惧種にも指定されています。そんな中で日本の動物園は、難しいと言われているレッサーパンダの繁殖に力を入れており、何か力になりたいと。売上の一部を寄付する形で協力しています」

動物スポンサーを行っている東山動物園のレッサーパンダ(左)と、園内に掲げられたプレート(右)

「そもそも仕事をするうえでも、根本的なところで何かしら環境に貢献しなければいけない、という思いはあります。たくさん働いてたくさん稼いで税金を納めることは大事。でも今はそれだけではなく、ものを作った責任、ものを使う責任というのも生まれてくる。太陽光を広める事業をすること自体にも社会的意義を感じることができるし、なにより売っていて気持ちがいいです」と語る山﨑氏。ビジネスの拡大がいずれ社会貢献へとつながるのであれば、まさに理想的。今後のさらなる展開が楽しみです。

「グリーンギフトの考え方は、業界以外にも広がってほしい」

太陽光事業が発展するには、業界の健全化が大切だと思います。その意味でも、ハンファジャパンがグリーンアライアンスを立ち上げてくれたのは非常にうれしいことです。特にグリーンギフトなど、公共施設に設備を寄贈し、クリーンな電気を生み出すという考えは、社会貢献として大変重要と思います。
一個人、あるいはひとつの会社でできることは限られていますが、同じ思いのある人や会社が集まることでより大きな効果が出せます。太陽光の業界は、メーカー、商社、販売店、施工店といろいろ関わっていますが、みんなが絡んで動けば、面白いことができるのでは。今はなによりもその部分に期待しており、私自身も有償、無償にかかわらず貢献したいと思っています。(山﨑氏)

2024年の10月にグリーンアライアンスが後援した「野沢温泉自転車祭」にも選手として参加

グリーンアライアンスの3つのアクションのひとつ「エコフレンドリーなモビリティと連携した社会貢献活動」でも推進しているe-Bike。この快適な自転車を使い、山﨑氏が名古屋のお気に入りの場所を案内します。

山﨑氏は、愛知県江南市出身で、大学卒業後に名古屋にある会社に入り、太陽光発電の世界でキャリアを重ねてきました。現在43歳の山﨑氏にとって、名古屋は社会人として21年を過ごしてきた愛着のある街です。
「戦国武将を輩出した歴史の重みをはじめ、名古屋めしといわれる独自の食文化もある、面白い場所だと思います。お城や昔ながらの街並みも残っていて、日本各地への移動も便利。私にとっては“大きな田舎”という感じで、居心地がよく自然体で過ごせるところが魅力です」
そんな山﨑氏が紹介してくれたのは、次の3カ所です。

【おすすめスポット1 名古屋城・名城公園】

1615年、徳川家康によって築かれたお城。太平洋戦争時の空襲により焼失しましたが、1959年、鉄骨・鉄筋コンクリートにより再建。天守閣に輝く金の「しゃちほこ」は、名古屋のシンボルとなっています。「尾張名古屋は城で持つ、と伊勢音頭の一説にあるように、ここは名古屋市民の誇り。見事な石垣が素晴らしいと思います」と山﨑氏。隣接する名城公園はお城を少し引いてみるのにも最適な場所。「自宅からも近く、毎年ここでお花見もしている愛着ある公園です」
➣ 名古屋城 https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/
➣ 名城公園 https://www.meijyo-fp.com/

金の鯱が輝く名古屋城のふもとをサイクリング

【おすすめスポット2 円頓寺商店街】

古き良き下町情緒が漂うノスタルジックな商店街で、名古屋のユニークな観光スポットになっています。アーケードの下に約30店舗が連なり、明治から続く老舗が残る中、モダンなカフェやレストラン、個性的な施設も点在。古さと新しさが隣り合わせ、ブラブラ歩くだけで楽しくなる場所です。株式会社ワン・ミニットの本社のすぐ近くにあるため、山﨑氏にとってはまさにご近所。「ランチに寄ったりして、しょっちゅう来ています。ほっとできる場所です」
https://endojishotengai.com/

懐かしく郷愁をそそるような空気があふれる円頓寺商店街

【おすすめスポット3 東山動植物園】

1937年開園の歴史ある名古屋市営の動物園。広大な園内では、500種以上の動物を見ることができ、株式会社ワン・ミニットが動物スポンサーをしているレッサーパンダも大人気。「仕事でちょっと時間ができると、散歩感覚でここに来ます。レッサーパンダ、かわいいですよ。癒されます」と山﨑氏。敷地内には展望スペースやレストランなどがある「東山スカイタワー」もあり、ここは、名古屋の街を一望できる絶景スポットとしてもおすすめです。
https://www.higashiyama.city.nagoya.jp/

レッサーパンダと見つめあう山﨑氏
「東山スカイタワー」からの眺望

「爽やかな日には、e-Bikeでの通勤も気持ちよさそうです」

名古屋は東京と比べてドライブスルーや駐車場はかなり多く、圧倒的に車文化の街です。なので、自転車ってこれまで意識したことがなかったのですが、昨年グリーンアライアンスが後援する「野沢温泉自転車祭」に参加して、初めてe-Bikeに乗って、その乗り心地のよさに感動し、思わず購入してしまいました。季節もよくなったので、これからどんどん活用してみたいですね。平らな街なので、あまりパワーを発揮できる場所はないのですが(笑)。家からオフィスまで4.5kmの通勤に使うのもいいかもしれません。(山﨑氏)

Photo: Takanori Ota

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