ジリジリと太陽の光が照りつける夏。発電量も期待できる! と思いきや、実はそんなに単純ではないみたいなのです。どうやら、太陽光の「熱」と「気温」、そして「太陽電池モジュールの温度」との関係性がポイントとなるもよう。今回はそのあたりを紐解いてみましょう。
太陽の光には、熱成分、すなわち赤外線が含まれます。発電にはもちろん太陽光が必須ですが、光がモジュールにあたることで同時に熱も発生し、徐々にモジュール自体を温めていきます。例えば、800Wh/㎡ の光(日射量 *)がモジュールにあたった場合、あまり風が吹いていない状態においては、およそ20℃、温度が上昇するといわれています。例えば夏場、外気温が30℃ならモジュールは50℃前後になります。
*日射量:太陽光エネルギーの総量。単位はWh/㎡
ここで問題となってくるのが「熱」の存在。実はモジュールは、それ自体の温度が上がることで、発電効率としては下がってしまうのです。一般的には、20℃の温度上昇は、7%前後の発電量低下を起こします。
つまり同じ光の量であれば、モジュールそのものの温度が低い方が、より多く発電するわけです。
わかりやすく、夏と冬で比較してみましょう。モジュールにあたる光の量が同じだった場合、冬場の発電量の方が高くなります。なぜなら気温が低い=モジュールの温度が低いからです。例えば、冬場の気温が0℃、夏場は30℃と仮定したとき、同じ光の量であれば、冬場の方が10%ほど多く発電します。
ちなみに、「雪国飯山ソーラー発電所」のように、周囲が雪で囲われている時は、積雪による保冷効果があるので、モジュールの温度上昇を抑えることができます。加えて風の強い日には、風がモジュールを冷やすので、より発電量が上がります。
豪雪地帯における冬の発電量についてのレポートは、『雪国とおひさまの物語』Vol.7 4ヶ月のスノーシーズン。太陽光発電と雪の関係を考える でもご覧いただけます!
もちろん、太陽光発電の要となるのはモジュールの「温度」だけではありません。日照時間や太陽の角度、そして太陽光が通過する空気の量なども、とても大切な要素です。これらについては、また次回に説明します。
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