エコフレンドリーなモビリティ ―― e-Bikeのある生活

グリーンアライアンスが取り組む3つのグリーンアクションのひとつが、「エコフレンドリーなモビリティと連携した環境貢献活動」です。これは、太陽光発電などで作ったクリーンエネルギーを活用できるEVやe-Bikeなどを、CO2削減に貢献する“エコフレンドリーなモビリティ”と捉え、その利用を促進していこうというもの。グリーンアライアンスでは、その具体的活動として、2024年10月開催の「野沢温泉自転車祭」にメインスポンサーとして参加し、e-Bikeと太陽光発電をつなげた環境貢献をテーマに広報活動を行う予定です。

SDGs貢献に対してのe-Bikeの可能性については、すでに海外でも大きな関心を集めている模様。ここでは、そんなe-Bikeのある新しいライフスタイルについて、少し掘り下げてみたいと思います。

e-Bikeのメリットとは?

Merit1.クルマに頼らない快適&スマートな移動手段
e-Bikeは、電動モーターがぺダルをこぐ力を効率的に補助してくれるスポーツタイプの自転車。ママチャリと呼ばれるような従来の電動アシスト付き自転車よりも、さらに柔軟で力強い機能を持ち、こぎ出しのタイミングや上り坂などで、とくにそのパワーを発揮してくれます。しかもバッテリーの容量も大変大きく、フル充電で100km以上の走行が可能なタイプも少なくありません。
このため、クルマとも自転車とも異なる新しいモビリティとして利用する人が増えています。クルマでは入れない細い道にも進むことができ、スムースに風を感じながら走れる快適さも魅力。走行中にCO2を排出することもなく、さらに太陽光発電などで作った電気で充電すれば、環境への負担も最小限に。快適でスマート、クリーンなライフスタイルを実現する乗り物として注目されています。

電動ユニットが内蔵されているので、バイクに直接充電

Merit 2. 体力の差をモーターがカバー
モーターのアシストにより、体力に自信がない人でも無理なくサイクリングが楽しめるのも大きな魅力。こぎ始め、ペダルを踏んだ瞬間にグーンと走り出す、そのパワフルな感覚は、まさに自分の力と電力のコラボといった印象で感動的。年齢を問わず多くの人を魅了しています。

Merit3.長距離のライディングが可能で上り坂もラクラク
1回の充電で100km以上など、走行可能距離がかなり長いため、バッテリー残量を気にせず長距離ライディングが実現します。また上り坂ではひときわアシスト力を発揮してくれるため、疲労も軽減。距離の長さ、高低差などを克服し、今まで以上にダイナミックなサイクリングに挑戦することができます。

Merit 4. 無理のない健康づくりにも
e-Bikeはあくまでも自転車ですから、自分でこぐことが基本。筋力や体力はそれなりに必要になります。ただ、坂道なども無理なく上ることができるため、今まで自転車を敬遠していた人も気軽に利用することが可能。日々の健康づくりにも役立てることができます。

機動力の良さだけではない、たくさんの可能性を持つ e-Bike

長野県野沢温泉村でアウトドアプロショップ「コンパスハウス」を営み、夏はe-Bikeのレンタルやツアーなども実施するほか、野沢温泉自転車祭の運営にも参加している上野さんに、e-Bikeの魅力を伺いました。

上野雄大さん
プロショップ「コンパスハウス」オーナー
野沢温泉村 村議会議員

私がe-Bikeのある生活を本格的にスタートしたのは2019年。ちょうどスポーツタイプの電動アシスト付き自転車の性能が急激に改善され、新しいタイプが登場してきた、e-Bike元年的な年でもありました。モーターの小型化やバッテリーをフレームに内装したスマートなデザインなどが画期的でした。
当初は、身近な里山でのオフロード走行を目的に乗り始めましたが、その手軽さと機動力の高さから村内の交通手段のメインモビリティにも活用。このため、以前使用していた車の利用は極めて少なくなり、環境負荷軽減はもちろんのことガソリン代の節約にも。さらには、景色を楽しみながらエクササイズにもなるというオマケつきです。e-Bikeのある生活を約5年経験し、環境問題やウェルビーイング、さらには地方の2次交通課題解決の糸口にもなりうるなど、無限のポテンシャルを新たなエコモビリティに感じているところです。

e-Bikeをライフスタイルに取り入れて楽しもう!

Style 1. 体力差を気にせず、家族やカップルでサイクリングに
e-Bikeを利用すれば、子どもや高齢者、体力に自信のない方でも無理なく本格的サイクリングが体験できます。今まで一緒に走るのをあきらめていた方たちも大丈夫。休日には、家族やカップルで大自然の中へ飛び込みましょう!

Style 2. 通勤・通学など日常の移動に
毎日の生活の中にe-Bikeを活用するのもおすすめです。例えば通学・通勤にこのスマートモビリティを使ってみては。朝のさわやかな風を感じながら、クルマの少ない抜け道を開拓したり、お気に入りの風景までちょっと遠回りしてみたり。ラッシュアワーの憂鬱さを忘れ、自分のペースでの快適なひと時が実現します。主要道路に自転車専用レーンを設置しているエリアも増えています。安全に留意して、軽快な通勤・通学ライディングを。

Style 3. 重い荷物も運べるから買い物にも活用
「歩くのにはちょっと遠いから」、「坂道があるから」、「荷物が重くなるから」と、ついクルマを使っていた近所のスーパーマーケットなどへの買い物。そんな時にもe-Bikeはベストな乗り物となりそうです。モーターのアシストのおかげで、重い荷物も軽々運べます。専用のバスケットを取り付ければ、お米や油など、たくさん買い込んでも大丈夫!

Style.4 大自然の中、さらにその先へ
e-Bikeは、アウトドアファンの行動範囲をさらに広げてくれます。上り坂も得意なので、これまで敬遠していた峠越えのルートなどにも挑戦可能。マウンテンバイク・タイプなら山道やオフロードでも問題ありません。よりダイナミックなツーリングやキャンプへと、こぎ出してみませんか。

Style 5. サイクリングツアーに参加して様々な発見を
現在、日本各地の観光スポットをはじめ、自然地帯などでも、様々なタイプのe-Bikeツアーが行われています。ほとんどがガイド付きで、レベルに応じて安全に参加できる内容。各地の見所に案内してもらえるだけでなく、操作方法などを1から学べる初心者向けのツアーも多く、ちょっと体験してみたい、これからe-Bikeを始めたいという方の試運転にもピッタリ。
太陽光生活研究所の「雪国とおひさまのものがたりー長野・飯山ナチュラルライフ」の記事でも、素敵なe-Bikeツアーをご紹介しています。ぜひご参照ださい!

種類も豊富! 目的に応じたe-Bike

一般的な自転車と同様、e-Bikeも目的別に様々なタイプがあります。ここでは、野沢温泉自転車祭のスポンサーも務める自転車メーカー「スペシャライズド」のe-Bikeをモデルに、主要な4タイプを紹介します。

■ロードバイク
前傾姿勢で乗る、本格的ロードサイクリング向けバイク。パワフルなアシスト力に加え、衝撃吸収力やタイヤクリアランス(タイヤと車体との間隔)にも優れている。
Turbo Creo

■マウンテンバイク
サスペンション機能が充実し凸凹の衝撃に強いバイク。山道、ゲレンデコースなど、オフロードに最適。パワフルな上りに加え、下りでも安定したライディングを実現。
Turbo Kenevo

■クロスバイク
ロードバイクとマウンテンバイクの双方の性能を併せ持ち、アウトドアシーンにも、また街乗り用としても活躍するタイプ。スタイリッシュな見た目も人気。
Turbo Vado

■アーバンバイク
通勤・通学や買い物など、街乗りに便利なタイプ。シンプルで乗り降りがしやすく、普段使いの自転車として活用範囲が広く、大変便利。
Turbo Como

SPECIALIZEDとは?
1974年にカリフォルニアでスタート。「Pedal the Planet Forward (ペダルを回して地球を前に進めよう)」をスローガンに、地球環境と社会に良い影響をもたらすチャレンジを続けるサイクリングブランド。
➣ SPECIALIZED ウェブサイト https://specialized-store.jp/

Photo: Takanori Ota、Tsutomu Nakata

特集 クリーンエネルギーがつなぐ持続可能な未来