Vol.4 太陽光100%という夢の暮らしがついにスタート!

Text & Photo: Lisa Obinata Photo: Takanori Ota

2020年10月23日、工事が全て完了すると、その時点から太陽光での発電が始まりました。数日後には足場も外され、秋晴れも伴って順調な滑り出し! とはいえ、電気の回路がどう変わったのか、目に見えるものではないので暮らしはいつも通りです。

ただ大きな変化としては、天気により敏感になったということ。快晴の日はたっぷり発電、そして蓄電できるので、自然エネルギーで生活できているんだと、なんとも有難い気分になるのです。命名「雪国飯山ソーラー発電所」。そう、我が家の電力だけとはいえ、小さな小さな「発電所」の誕生です!

午後は南面のモジュールがたっぷりとおひさまの光を集めてくれる
室内ガレージに設置されたパワコン(換気扇の下)と蓄電池(下中央)。右側面には分電盤とモニター。左の大きなボックスはもともとあった電気給湯器エコキュート

日中、太陽電池モジュールで発電した電力は、室内に設置されたパワコン(ハイブリッドパワーコンディショナ)を通って変換、電気として使用できるとともに、蓄電池に電力を送り込みます。発電している最中に使う電気はリアルタイムで消費し、余った分は蓄電、さらに余剰電力があれば電力会社に売電できるというシステム。日が落ちて発電しない時間帯に入ると、自動的に蓄電池にたまった電気を使うように切り替わります。足りない場合は、これまで通り、電力会社から電気を買うという連系運転となっているので、無駄がない上に電力が足りなくなるという心配もありません。

パワーモニターでは現在の発電量・売電量・充電残量表示のほか、履歴の表示、運転モードの設定などができる

今現在、どのくらい発電していて、どのくらい電気を消費しているかというデータは、モニターから常にチェック可能。パソコンとも連動しているので、パソコンで設定を変えたり、仕事中に気になったらちょっとチェック、なんてこともできて何気に便利です。

クラウドでも連携されているので、たとえば出張先でもネットを繋げれば自宅の発電状況を見ることができる

最初はなかなかデータを見てもピンと来なかったけれども、晴れている日、雨の日、風が強い日、気温が低い日、急激に天気が変わる日、など天候の変化を気にしながら度々チェックしていると、徐々に「こういう時は発電量が多いんだ!」とか、「曇っているのに意外と発電してる!」とか、発見がたくさんあって面白いのです。

秋晴れの日、ひたすら薪割りをするパートナーのケンさん。冬支度に忙しい晩秋

天気のいい日は、100%太陽光の電力だけで1日の生活が賄えることもわかりました。特に、東南面と南西面の2面にモジュールをつけたことが大正解で、午前中は東側、午後は南側と1日を通して高い発電量を確保。私たちは会社勤めでないので、日中も自宅にいることが多いのですが、エアコンや電子レンジもないという、もともと省エネ暮らしだったことも助かっているのか、余剰電力を売電できるくらい充分発電ができています。

山に初冠雪。紅葉も当たり年で、度々楽しむことのできた三段紅葉に感動

11月に入ると雪の便りが届きます。雪を求めて移住してきたので、山の上部が少し白くなるだけで大興奮! 2019年は甚大な雪不足でしたが、今年はよく降りそうだと近所のおばあちゃんたちも口を揃えて言います。山に3回雪が降ると里にも降るのだとか。キンと冷え込む日も増え、季節の移り変わりを肌で感じ胸が高まります。

我が家のガレージでご近所仲間と忘年会。この照明も太陽光でついているんだよーとプチ自慢したりして

ガレージと室内の境の建具取り付け工事を終え、スタッドレスタイヤに履き替え、雪かきグッズを揃え、最低限の雪への備えを完了。けれども、どのくらい積もるのか想像もつかないので、除雪機はないし、雪囲いも中途半端なまま、降ったら考えようと呑気に構えていました。

大雪でみるみるモジュールも白くなってゆく。完全に雪に覆われなければ発電はする

12月14日、ついにやってきました。いきなり半端ない大雪! 天気予報通りだけれど、辺り一面茶色だった景色が、一気に真っ白になり、喜んで朝の除雪に出動! 愛猫のソーラーくんも初めて見る雪に不思議そうな顔をしながらも、新雪の感触を確かめに出てきました。

初年度だけかもしれないけれども、初めて迎える冬、雪かきが楽しくて仕方ない

近隣のスキー場も恵みの雪で予定通りオープンし、早速、朝スキー、帰宅後に除雪&仕事という日々が始まります。新雪好きの私たちにとって、この見事な降りっぷりはたまりません。スキーには最高だけれども、モジュールは雪に埋もれて大丈夫なのだろうか・・・。この後、ひたすら降り続く豪雪の洗礼を受けることになるのです。

ひっきりなしに降る雪に発電パワーはいかほどか? 豪雪地での太陽光チャレンジは続く
  • 尾日向梨沙

    1980年、東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業後、13年間、スキー専門誌『Ski』『POWDER SKI』(実業之日本社)などの編集を担当。2013年より同雑誌の編集長を務める。2015年、フリーランスとなりスノーカルチャー誌『Stuben Magazine』を写真家・渡辺洋一と共に創刊。2018年より藤沢市鵠沼の自宅を舞台に歴史的建造物と周辺の緑の保存活動を開始。2020年に、湘南から長野県飯山市に移住し、パートナーのケンさんと共にハーフビルドでマイホームを建築。雪国でスキーを取り込んだライフスタイルを実践しつつ、同時に畑での野菜作りを行うなど、自然に寄り添った暮らしを目指す。2020年秋からは、太陽光発電&蓄電システムを取り入れ、できる限り電気を自給自足するこころみもスタート。長年スノースポーツに携わる中で実感してきた地球温暖化について向き合い、ケンさんと愛猫の空(ソーラー) くんと力を合わせ、自分なりのソリューションを試行錯誤中。

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