Vol.6 Jeepのプラグインハイブリッド車を太陽光で充電し試乗体験

Text : Lisa Obinata Photo: Takanori Ota
Special Thanks : FCA Japan, Nozawa Onsen Snow Resort, Shichirohei Coffee

雪国生活も板についてきた2月、友達の山根くんが飯山に遊びに来ました。もちろんスキーが目的なんだけれども、乗ってきたクルマはJeep Renegade Trailhawk 4xe。Jeep初のプラグインハイブリッド車(PHEV)なのです。

太陽光生活を始め、クリーンなエネルギーへと少しずつ切り替えられているけれども、大きな課題はクルマ。田舎ではクルマ移動が当たり前、特に私たちは長距離走ることも多いので、普段はクリーンディーゼル車を使いつつも、将来的には電気自動車(EV)に切り替えるべきか、考え始めたところでした。

PHEV車に興味津々な私たちは、山根くんにあれこれ使い方を教えてもらい、家の近所の雪道で試乗させてもらうことになりました。電気の力での走り出しはとても静かでスムーズ。走行中はガソリン車と何の違いもなく、電気で走っているということを忘れてしまうほど。除雪が追いついていない雪道でもパワフルで、安定していて、頼もしい。

運転席のダッシュボードを見ると、ガソリンとバッテリーの両方の残量と、それぞれでの走行距離など細かなデータがわかるようになっています。左上写真の表示では、あと8kmはバッテリー(電気)で走行でき、充電がなくなると自動的にガソリンに切り替わるという仕組み。その隣のタッチパネルモニターでは充電時間の設定なども可能。オフロードなどでパワーが必要になると、自動的にガソリンに切り替わることもあり、タッチパネル下の点灯ランプがドライブモードを知らせてくれるのだそう。シートをよく見ると山の等高線がデザインされていたりと遊び心もあり、雪山愛好者にJeepユーザーが多いのも納得してしまうのでした。

試乗後、太陽も出ていたので、我が家のガレージで充電してみることになりました。200Vの家庭用電源から充電可能で、レネゲード4xeのバッテリー容量は11.4kwh、約4時間で満充電になるとのこと。クルマに充電プラグを接続すると、太陽光発電から自動で充電開始、不足すると蓄電池から充電となるので、条件によっては太陽の力だけでフル充電できるのです。

翌朝、充電はしっかり完了していました! 満充電の状態でおよそ48km走行可能とのこと。スキーをクルマに積み込み、野沢温泉スキー場へ。我が家から野沢温泉までは約10km。往復乗って、寄り道しても十分、電気だけで走れる距離です。

野沢温泉では2020/21シーズン、ゴンドラが新しく架け変わりました。全面ガラス張りの10人乗りで、山麓から山頂部のやまびこエリアまで約8分と、旧ゴンドラから大きく進化したのです。乗り心地も快適で、静かに進む様は、まるでレネゲード4xeの走り出しみたいだね、と談笑しました。

昨晩の降雪もあって雪質抜群。飯山に移住する前から、仕事やプライベートでも通っていた野沢温泉は、大好きなスキー場のひとつで、特に山頂エリアのブナ林が素晴らしいのです。大昔、スキー場の設計者も、豊かな森を切り開きすぎないよう、自然を生かしてコースを作ったのだそう。今シーズンはコロナ禍で外国人の姿は少なかったけれど、日本特有の自然環境と雪質、豊かな温泉も伴って、この10年ほどは世界中から人気を集めています。

休憩は日影ゲレンデにある七良兵衛珈琲へ。野沢温泉に来るたびに利用しているカフェです。オーナーの河野克幸さんは世界を転戦してきたスキーヤーで、現在は野沢温泉村内で宿泊業やレストランを営んでいます。バーカウンターは全て廃材を利用、私たちが座っているソファー席も元々あった小上がりを外し、材料を再活用するなど、アップサイクルを心がけているのです。コーヒーやスイーツの美味しさだけでなく、こういった環境に配慮している店をできるだけ選ぶようにしたいものですね。

野沢温泉から千曲川を挟んで対面に、私たちの家があります。だんだん太陽の光も強くなってきて、今日もよく発電しているかな〜と。こんな日は帰ってから発電量をチェックするのが楽しみなのです。山根くんも久しぶりの野沢温泉でのスキーを満喫した様子。

滑った後は温泉というお決まりのコース。野沢温泉には温泉街の中に13カ所の外湯と呼ばれる共同浴場が点在。狭い路地が多い村内でも、小回りがきいて運転しやすいレネゲード4xeで、どこの外湯に入るか3人でお湯の好みを出し合います。(*外湯に駐車場はありません)

さっぱりして帰宅。完全に電気だけで往復できました!

これまで、電気自動車というものは自分にとっては遠い存在でした。しかし、2050年までにCO2排出ゼロを目指す世界の動向、そして1月には菅総理が「2035年までに新車販売で電動車100%を実現する」と表明。ヨーロッパやアメリカではガソリン車、ディーゼル車の規制や販売禁止も進み、各メーカー新たな電気自動車の発表も加速しています。

今回はテスト的に我が家でPHEV車の充電ができましたが、自家用車をPHEVやEV車に乗り換えるとなると、充電のための電力消費が増えるので、その分、太陽光モジュールの増設が必要になりそうです。

初めて自宅の太陽光発電を使ってPHEV車を充電し、走行するという体験を経て、クリーンなエネルギーで移動ができる喜びのようなものを感じました。太陽光をうまく生かせば電気代もガソリン代もかかりません。寒冷地であること、大雪での非常時、自宅以外に充電できる場所、理想とする車種など、検討事項は山ほどありますが、近い将来、PHEVやEV車を真剣に考えたいと思った出来事でした。

  • 尾日向梨沙

    1980年、東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業後、13年間、スキー専門誌『Ski』『POWDER SKI』(実業之日本社)などの編集を担当。2013年より同雑誌の編集長を務める。2015年、フリーランスとなりスノーカルチャー誌『Stuben Magazine』を写真家・渡辺洋一と共に創刊。2018年より藤沢市鵠沼の自宅を舞台に歴史的建造物と周辺の緑の保存活動を開始。2020年に、湘南から長野県飯山市に移住し、パートナーのケンさんと共にハーフビルドでマイホームを建築。雪国でスキーを取り込んだライフスタイルを実践しつつ、同時に畑での野菜作りを行うなど、自然に寄り添った暮らしを目指す。2020年秋からは、太陽光発電&蓄電システムを取り入れ、できる限り電気を自給自足するこころみもスタート。長年スノースポーツに携わる中で実感してきた地球温暖化について向き合い、ケンさんと愛猫の空(ソーラー) くんと力を合わせ、自分なりのソリューションを試行錯誤中。

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